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講演会「脱炭素化と水素・燃料電池」
(徳島大学技術士会第1回講演会)
講師: 田島 收氏〔田島 收 技術士事務所所長、山梨大学客員教授〕
日時: 2022年9月10 日(土) 14:00~ 17:00
場所:徳島県大阪事務所およびzoomによるWeb講演会
(徳島大学技術士会第1回講演会)
1.自己紹介
1974年に三洋電機㈱に入社し中央研究所に配属された。
国のプロジェクトである電気自動車用亜鉛空気電池の開発に従事し、1977年からはりん酸形燃料電池(PAFC)の研究開発を開始。㈱ENEOSセルテック合弁会社設立とともにエネファームの商品化に従事。化学が専門であるが、技術士では燃料電池は機械部門であり、機械部門で登録している。
定年後に山梨大学客員教授に就任し、2012年に技術士事務所を解説、経済産業省等の中小企業のビジネスマッチングなどを実施。
現在は、IEC燃料電池、ISO水素燃料技術の標準化、JEMA燃料電池認証に参加している。
2.気候変動と脱炭素
2018年の自然災害による経済損失が大きく、世界で100億ドル超。日本以外にも世界各国で被害が発生している。中でも台風21号と西日本豪雨で合わせて2兆5000億円の被害があり、保険会社の支払いも多い。保険会社は支払いを減らす方向に動く可能性がある。2019年は、台風19号と台風15号が経済損失額で世界1位、3位となっており、合わせて2兆7000億超の損失。我々の身にも影響が出ている。
3.水素の基本特性と安全性
危ないというイメージがある。安全とは言い切れないが都市ガスと同じくらい。慣れていないので危ないと思ってしまう。水素の安全性を確保するためのポイントは、水素を漏らさない、漏れたら検知して止める、漏れても滞留させないが重要。
4.水素の製造、貯蔵・輸送、利用の概要
再エネなどの余剰電力を使って水電解で水素を作る。1kW分作るのに5kW必要であるが、水素は長期間s地蔵出来るメリットがある。
海外から化石燃料からのCO2を固定or水電解で水素を作り日本に輸送。キャリアは液化水素化優希ハライドとして持ってくるかアンモニアの形が考えられる。神戸港にオーストラリアから液化水素を持ってくるプロジェクトが進行中。
用途は、【発電】ガスタービン、燃料電池、【輸送】燃料電池、【民生】燃料電池、【産業】産業プロセスでの使用(例 高炉の化学反応に使用)
5.徳島県の水素利用構想
福岡、山梨県、山口周南市の取り組みは有名である。徳島県は目立っていないが着実に取り組みがされている。特に重要なのは、副生水素の活用が進んでいること。
東亜合成㈱が苛性ソーダ生成過程江発生する水素を水素ステーションからバスに供給。バスを2台導入している。バスは定期的に大量に水素を使用するので需要が見込めるメリットが大きい。
ほかにはMIRAIをパトカーに改造し、小学生のデザインを選定するなどの取り組みを行っている。