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講演会「南海トラフ地震と大阪湾断層による津波の予測と減災への展望」
(阿波技術士会第7回講演会)
講師: 馬場俊孝氏〔徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部 教授〕
日時: 2025年9月6 日(土) 14:05~ 15:25
場所:徳島県関西本部会議室+Web
1.自己紹介
岐阜県まれ。金沢大学卒業後に海洋科学センターに就職し、15年間所属した。その後、徳島大学へ教員として就任。現在、徳島大学大学院にて津波の研究をしている。モットーは四国の右側、津波死者をゼロ。
2.津波について
東日本大震災では、津波による被害が出た。
津波は、沖での断層運動→断層運動が海水を持ち上げる→津波が発生、というメカニズムで起きる。
津波は沖では波が小さく、陸に近づいてくると波が大きくなる。陸に近づくとスピードは遅くなるが、それでも100m走選手よりは速度が速い。波浪との違いは、波長が長く、破壊力が大きく、遠くまで伝わるので、大きな被害をもたらす。
津波の被害は波高値にもより、20cmで人が流される、50㎝で車が流される、2mで木造家屋が流される、10mで鉄筋コンクリート造の建物が流される。
3.南海トラフ地震
100年~200年周期で繰り返している地震で、大きさはM7.9~8.6くらいであった。発災後10分程度で第1波が届き、エネルギーが大きいのでいつまでも津波が続くと予想される。
国から、南海トラフに関する指針も出ている。それによると徳島県で32,000人の死者を想定している。徳島県南部は発災後10分で津波が到達するので、揺れが収まってからの避難は危険である。
地震予知は現時点では予測できないが、大きな地震というのは前震があって本震があるケースが多い。
対策としては、日頃の備えを再確認する必要がある。家具の固定。食料品等の備蓄。オンライン等の地震教育も重要。「四国防災88マップ」というのがある。これはWebからダウンロードでき、防災教育にも役立つ。
